2006年11月14日 朝日新聞から抜粋させていただいた。
一冊の絵本から環境問題に目を向ける人が増えている。
「ハチドリのひとしずく」
南米・アンデス地方の先住民族に伝わる民話で、燃えさかる森にハチドリが一滴ずつ水を落としていく短いストーリー。地球温暖化に対して「一人ひとりができることをやろう」とのメッセージにも読める。この話を広めようという動きが、各地で自然発生的に起きている。
絵本(ハチドリのひとしずく)より
森が燃えていました
森の生きものたちは
われ先にと逃げていきました
でもクリキンデイという名の
ハチドリだけは
いったりきたり
くちばしで水のしずくを
一滴ずつ運んでは
火の上に落としていきます
動物たちがそれを見て
「そんなことをしていったい何になるんだ」
といって笑います
クリキンデイはこう答えました
「私は、私にできることをしているだけ」
ハチドリの物語は勝利を暗示しているが、結果については語っていない。伝えているのは結果ではなく、過程の大切さだ。過程の力強さが、結果を暗示している。結果は読者に委ねられている。
ハチドリが燃える森に落とした一滴の水は、伝統文化やその基盤である環境を守るためのものだ。自分の巣だけでなく森という社会や経済全体も守ろうとしている。そして、自らが行動することの大切さを示している。
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