4月の早朝の犬を連れての散歩は楽しかった。各家々の庭先に咲き誇る春の花を、大いに観賞させてもらったからです。そして、5月に入ってからは、4月の花は旬を過ぎて色あせ、散りかけている。今日(5月28日)は、もう既に梅雨の趣がある。我が社の玄関先の庭には、紫陽花が淡い紫色に染め出した。
でも5月に、際立ってその盛りを見せている花が、卯の花(ウノハナ)だ。偉そうに、この卯の花の名前を恰(あたか)も以前から知り尽くしているように述べてはいるが、この花と名前を確実に知ったのは、つい1週間前のことでした。
我が家の前にお住まいのYさんの庭から、アルミのフェンス越しに白い花をいっぱいにつけているのを見つけて、Yさんにその花の名前を教えてもらったのです。なんと!!この花が卯の花だと知らされたのです。子供の頃に、学校で習ったあの「卯の花の匂い垣根に~」の歌の冒頭にでてくる花です。Y姉さんは、竹箒を片手に年少の私にこの歌をフルに歌ってくださいました。早朝5時半の、歌い手1人お客さん1人の路上ライブでした。Y姉さんの恥ずかしそうな表情のなかに、子供の頃の可愛らしい名残を、私は見逃さなかった。彼女は、私と違ってよくできた子供だったのでしょう。小学生の頃、先生が授業でその花のことを教えてくれたのかどうか分からないけれど、歌っていたときは、歌詞にでてくる花がどんな花なのか、何のイメージもなく、ただ歌詞のうえだけの花に過ぎなく、ぼやっと歌っていたようです。
子供の頃から手のつけられない程ヒネクレ者だった私は、歌だけではなくて何でもかんでも、他人から教わることについては、興味が沸かないフリをした。花の名前など知ろうとも思わなかった。目先にもっと興味深いものがあったのだろう。
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折角だから、「卯の花」を学術的? にまとめておきたいと思いつき、ネット上の尾曽清博氏の「野草かんさつ事典」より引用させてもらった。
正式には、ウツギ。ウツギは垣根としてよく使われたのは、萌芽力に優れ、刈り込みに強いことだった。材が硬く木釘(くぎ)として使われ、それが現金収入になった。木釘にしてみると楊枝くらいの太さでも、細い部分でもなかなか折ることができません。
歌の「夏は来ぬ」の匂うですが、ウツギの花に香はありません。花が盛りに咲いているさまを「匂う」と表現したのでしょう。カッコウーと同じように託卵することで有名なホトトギスは南方より5月中頃に渡ってくる。ホトギスは高原の鳥で人家には近づかない。ホトギスが託卵する相手はウグイスですから、ウグイスは人家の周辺から高原にかけて分布しており、ホトトギスもそれに合わせて生育していると考えられます。
ウツギは「卯木」と書く。名前の由来は「空木」です。茎を折ってみると中が中空になっている。
旧暦の卯月に開花するので「卯の花」か。
このウズキは、万葉集には24首に登場するのですが、そのほとんどがホトトギスとセットだそうです。(よくよく縁の深い花と鳥なのだ。)
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ところで、「おから」の方の「卯の花」はどうなんだ?
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またまた、ネットのWikipediaにお世話になりました。おからは、豆腐を製造する過程で大豆から豆乳を絞った後に残ったもの。「おから」は絞りかすの意で、茶殻の「から」などと同源の「から」に丁寧語の「御」をつけたもので、女房語のひとつ。「から」が空に通じているとして、また縁起を担いで白いことから「卯の花」と言い換えることが、日常的になったのでしょう。
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なんだか、説明を受けてがっかりした。「おから」じゃ、名前を呼ばれる方も可哀想だから、せめて美しい花の名前を代用したとのことだ。「おから~はいりませんか」じゃ?つまんない、と思った豆腐屋さんの、親思いの娘さんが考えた営業用のコピーだったのかもしれませんね。
一件落着。
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