小沢一郎・民主党幹事長が、自分の資金管理団体の虚偽記載事件で不起訴になった。この偽装記載事件では、現職の国会議員で元秘書の石川知裕が逮捕され、その他にも二人の秘書が起訴された。彼等との共犯者としての疑いで、東京地検特捜部で事情聴取されながらも、不起訴処分だった。小沢は限りなくクロだけれども、それはしょうがないのだ。証拠がなければ立件できないのだから。
そこで、当の小沢はひとまずは安心したのだろうが、選挙参謀役でもある幹事長として、ここで苦渋を舐めさせられた。2月21日行われた長崎県の知事選挙と、同日に行われた東京都の町田市長選挙の結果だった。象徴的だったのが長崎県だ。先の衆議院選挙で全国的に圧倒的に勝利を収め、長崎県地方各区では民主党がほとんど〈全員かも?〉当選したのです。その長崎県の知事選で自民党に負けたのだ。
何が原因でこんな結果になったのかは、小沢幹事長は当然解っているだろうし、鳩山由紀夫代表もよ~くよく解っている。でも、自らこの原因を自らの党の中で議論が沸かないようでは、自滅するしか道はない。民主党に対する不信、政治を任せられないという民意のナニモノでもない。
その後、新聞やテレビ等で報道される内容からは、ますます小沢疑惑が濃くなっていく一方だ。いつまでたっても、自ら説明しようとしない。そうこうしていたら、「検審」と約される手続きが進んでいることを知った。
小沢氏が刑事告発されて、その告発人が不起訴処分を不当として検察審査会に審査を申し立てることができる。申し立てられた場合は、検察審査会が開かれるということを、20100301の朝日新聞夕刊・窓で知った。こういう仕組みを知って、これもマイファイルして おかないといけない、と思って新聞記事を転載させてもらった。
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20100301
朝日・夕刊
窓/論説委員から
11人の冷静な目
山川富士夫
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小沢一郎・民主党幹事長の資金管理団体をめぐる収支報告書記載事件で、小沢氏を告発していた市民団体が、不起訴処分(嫌疑不十分)は不当だとして検察審査会に審査を申し立てた。
検察審査会は、検察官の不起訴の判断に誤りがなかったかをチェックする。有権者名簿からくじで選ばれた11人が審査する。裁判員制度とならぶ司法制度改革の柱として昨年5月に改正法が施行され、審査会が「起訴すべきだ」と2度議決すれば必ず起訴されることになった。
小沢氏の場合も審査によっては、「不起訴」から一転、「起訴」となる可能性があり、注目度は一気に高まった。
もし、自分がこの事件の検察審査委員だったらと考えてみる。
これだけ社会的関心の高い事件だ。膨大な報道と論評があり、否が応でも、さまざまな情報が入ってくる。小沢氏のこれまでの説明に納得できないことも多い。だからといって、それに引きずられるわけにもいかない。あくまでも判断材料は法と証拠だ。そう言い聞かせて臨むと思う。そして、得た結論はできるだけ丁寧に伝えたい。
「十二人の怒れる男」という有名な米国映画を思い出す。陪審員裁判で市民が真実を追求する白熱の議論を描いた。
どんな結論になるにせよ、市民の感覚を反映した「11人の冷静な目」に期待したい。これまで地味だった検察審査会が注目されることで、より市民に身近な存在になればとも思う。
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