アーバンビルドの再建計画が具体的になってきた。元社員だった人が戻ってくれて、彼らは以前よりも、元気に業務に携わっている。取引のある金融機関とのリスケ折衝も、金融円滑化法の後ろ盾もあって、何とかいい方向で了解を取り付けられそうだ。
そんな中、再建計画の何本かの事業の柱に、リフォーム事業を本格的に立て直そうと思っている。このリフォーム事業については、私たちの会社及び関係会社においてなら、直ぐにでも実行できる仕事なので、即、今からでもやりましょう、と言うことになった。ところで、責任者が欲しいと思い当たり、適任者が周辺にいないか、思い巡らしてみた。
そんな時に思いついたのが、以前に弊社に入社して実力を発揮するまでもなく、退社を余儀なくされた思いでいただろうⅠ君に電話した。早速会社に来てくれて、私の考えていることを率直に話した。彼も、病気で苦しんだけれども、なんとか克服して今は某大手不動産会社のリフォーム部門でバリバリやっている、と報告を受けた。
どうしたんだ? そんなに痩せて体でも壊したのか? いや、違うんですよ、朝から晩まで、歩き回っているからです、忙しくて、体の贅肉が削(そ)がれたようです。女房も元気になりました。そうだよ、君が元気になったから、奥さんも元気になったのだよ。そうでしょうね。
そこで、彼が弊社とのことについて、言葉少なげに話してくれたことが印象的で、感動的だったので、書き溜めておこうと思った。
自分は御社にお役にたてるように、と張り切って入社した。勤務中もなんとかお役にたてるように、と思って一所懸命仕事をしてきた心算です。だが、思っていたようには成果が出せなくて、退社後も気になっていました。今日、電話をもらってノコノコやってきたのは、その辺の複雑な気持ちを一掃したかったこともあるのです。
山岡さんたちがやろうとしていることには、出来ることなら何でも、協力したい。今自分たちで、色々将来の起業のために考えている企画、優秀な職人さんの協力と紹介、コストダウンの方法、何でも開示しますし、そのノウハウを使っていただいて、御社の利益の積み上げに利用していただきたい。こんなことで、何とか恩返しをしたい、と言ってくれた。何か相談事があれば、いつでも来ますから、気楽に声をかけてください。
2年前、弊社の業務が急に悪化し、退社してもらったような形で去らざるを得なかった彼からの言葉は身に沁みた。この述懐を承る身に余る光栄、私は久しぶりに人間関係の尊さを感じた。ラーメン屋で定食を食いながら、彼を前にして幸せな気分でいっぱいだった。この男となら、一生付き合えると確信した。
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