2010年4月17日土曜日

久しぶりに、バスケで興奮した

夜、仕事を終えての帰途、自宅の玄関に入る前に、先ずは自宅の道路向かいの二女の家に寄って、孫を「ただ今」と言いながらぎゅっと抱きしめ、娘婿から焼酎2,3杯ご馳走になって、いい気分になって拙宅に辿り着くのが私の習慣です。

我が家でも気分次第で、焼酎だったり、日本酒やウイスキーを飲んで、頃合を見計らって風呂に入って、二階に上がるのです。それからは、酩酊度にもよるのですが布団に入る前に、テレビのスウィッチを点ける。テレビのスウィッチを点けても、居眠りをしたり、ぼやっと見て終わりにするのですが、この夜は違った。

写真:第1クオーター、リンク栃木・田臥がシュートを決める=河合博司撮影写真:第4クオーター終了直前、リンク栃木・川村が同点となる3点シュートを決める=河合博司撮影

この2枚の写真は、河合博司氏が撮影したものです。田臥と川村の両選手(朝日新聞)

リアルタイムなのか、再録で放映されているのか解らなかったのですが、テレビに映っているのは激しく攻守を繰り返しているバスケットボールの試合中継だった。

この実況、この試合、直感で、何かがおかしいと思った。酔眼にも、アルコールで柔らかくなった脳にも、観客席が異常に盛り上がっていて、こりゃ尋常じゃないぞ、と腰を据えた。実況を伝えるアナウンサーが、非常に興奮している。アメリカの学園モノの映画で、学校対抗の試合の応援で両校が盛り上がっている、そんな雰囲気が感じられ、酔いで鈍る神経をなんとか奮い立たせて、テレビの画面に釘付けになった。真剣勝負だった。

この試合は、バスケットボール日本リーグのプレーオフ(3戦先勝制)の決勝第3戦が東京・代々木第2体育館で行なわれていて、その最終戦だったのです。チーム創設から3季目、リーグ参入2季目のリンク栃木(レギュラーシーズン2位)が延長の末、71-63で3連覇を目指したアイシン(レギュラーシーズン1位)に3連勝し、初優勝した試合だったのです。このチームの正式なフルネームは「リンク栃木ブレックス」だ。

私が見出したのは、第4クオーターの中ごろからだったようです。

第4クオーターの丁度タイムアウトのブザーとともに放った、リンク栃木の川村の3点シュートが、ゴールに吸い込まれ、58-58の同点に追いついたのです。この同点に追いつくまでの13秒前までは、52-57、5点差があった。ここから川村の3点シュートが決まる。ここで、55-57.その後すぐに、リンク栃木から反則を奪ったアイシンのフリースローは1本外したので、55-58。会場は興奮状態。そこへ千両役者の登場になる。アイシンの防御を瞬間的にずらし、少しできた隙間から川村の3点シュートが生まれて、58-58の同点に追いついたのでした。上の右の写真がその瞬間です。そして延長、最終的には、71-63でアイシンを制した。

日本人初のNBAプレーヤー、田臥勇太がプレーオフ最優秀選手〈MVP〉に選ばれた。彼は、誕生間もないチームに加入して、チームを引っ張ってきた。横浜で中学まで過ごし、高校は名門、秋田県立能代工業高等学校だ、そしてリンク栃木の前の所属はアナハイム・アーセナルだ。別の朝日新聞の記事で、NBAでは17分間のプレーで解雇されたことを知った。練習に行く寸前でエージェントから「解雇された」という電話があって、これで一巻の終わり。これがNBAの世界なんだと痛感させられたと書いてあった。

新聞〈20100413、朝日〉によると、田臥は「栃木では、毎試合、ああいう雰囲気になる。モチベーションとなって、(アイシン)を絶対倒すという気持ちが増していった」。また来季は日本代表を指揮するウィスマン・ヘッドコーチは「日本のバスケ界がよりエキサイティングになる。プロチームが育ち、もっとバスケが認知され、文化として根付いていけばいいと思う。素晴らしい瞬間だった」と総括した。市もチームが本拠とする市体育館の愛称を「ブレックスアリーナ宇都宮」にして応援してきた。

ところで、実は私は中学校の3年間はバスケットボール部に所属していた。きっと不器用が原因だったのだろうが、ファールばかりとられて嫌になって3年間でバスケはやめた。接触プレーをする度に、笛を吹かれた。

高校に入ってからは、ボールをアタックさえすれば、多少の相手との接触があってもファールをとられにくいサッカーを選んだのでした。だが、もっと私の性格や体質、運動神経を総合的に突き詰めれば、サッカーよりもラグビー、ラグビーよりもアメリカンラグビー、アイスホッケーの方がよかったのかもしれない。当時、アメラグやアイスホッケーは、身近ではなかった。全ては、後の祭りだ。

今夜のバスケットの実況放送は、久しぶりに私のスポーツ心を騒がせてくれた。この半年はサッカーにも失望していて、本来の熱いスポーツ心が冷めていたところだったのです。

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