先日、朝日新聞の社会面で扱った内容だ。私は、なんじゃこりゃ、と初めて知って唖然とした。その内容を、ファイルしなくてはと思いながら、何もしなかった。年の瀬の忙しさに身を委ねてしまったせいだ。そしたら、昨夜の夕刊に再びこの件を扱った記事を見つけたので、ここに転載させていただく。こんな小さな記事にも、私は異常に反応するのです。99円 ? それって、なんじゃ ? と思うのです。典型的な、役所的仕事か。それって、どうにもならなかったのか ?
方や、官房長官室の金庫には、1万円の新札が常時何億円かが入っていて、官房長官の一存で、何にでも、領収書なしで使っていい金があるというではないか。日本を訪れた外国の要人に1本何万円もするワインを土産に渡したり、国会議員が外国に視察に行く際に、餞別として30~50万円を渡していたと聞く。馬鹿なことだ。この金を使えばいいじゃないか、なんてそんな短略的なことを考えているわけでは毛頭ないが、もう少し国として考えなくてはいけないのではないか、と思う。
今年は、年越し派遣村で始まった。昨日、都では、住まいのない求職者用に国立オリンピック記念青少年総合センターに、宿泊施設(派遣村)を開村した。来月4日まで宿泊場所と食事を無償提供するそうだ、が、その後はどうなるんだろう。また、寒い路上や建物の隅っこに追い払われるのか。
そんな世情を考えて、この99円の記事を読んだ。子供の頃から貧乏だった。こんな年(61歳)になって、多少扱う金額が大きくなったけれど、生まれながら我が身には、我が精神にはお金とは縁遠いようだ。だからかこそ、お金の遣い方は清らかであって欲しいと思う。金に関して、下の記事のような、他人を馬鹿にしたようなことが起こったときには、私は狂ったように怒りたくなるのです。戦時という異常な時代に、その原因が作られた。平和な時代の今だからこそ、その不幸せな事件を極めて平和的に友好的に処理をすべきではないのか。まして、かって植民地だった韓国の、統治国に徴用、徴兵された人々に対してのことだ、国策として、最優先事項として取り組みべき問題だ。
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20091228
朝日・夕刊
窓/論説委員室から
小倉幸一
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戦時中、10代半ばで名古屋の工場に勤労動員された韓国のおばあさんに先日、厚生年金の脱退手当金として、99円が日本の社会保険庁から振り込まれた。
前にも例がある。年金加入期間などに応じて18円とか316円とかが韓国の徴用工に支払われ、あまりの馬鹿馬鹿しさに受け取りを拒否されるなどした。
ちゃんと対応できていれば、60年も前に支給されるはずのものである。厚生年金保険法などの制度上、貨幣価値を換算する根拠がないため、当時の額面通りの支払いになったという。
加入記録を探し出すといった社保庁の労も否定はしないし、言い分はあろう。だが、あまりにも杓子定規に流れる「お役所仕事」の典型ではないか。
「憤るというよりも、そんなことを飛び越えて、こっけいでさえありますねえ」と知り合いの韓国人は話す。
朝鮮半島や台湾での植民地支配、アジア侵略。そういう日本の行為に起因する「戦後処理」は十分なされたわけではない。働かされた企業に未払い賃金の支給を請求したり、過酷な労働への補償、日本という国に謝罪を求めたりするアジアの人たちは少なくない。
約15年前には、軍事郵便貯金などを持っていた台湾の旧日本軍人・軍属に対して、日本政府が当時の額面を120倍に計算し直して返したこともある。
来年は韓国併合100年だ。お隣同士のわだかまりを解いていくには、心の通った行動がかぎになる。
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29日に社会保険庁が、韓国政府に厚生年金の被保険者台帳に、戦時中の徴用などで日本の企業で働かされていたとされる韓国人4727人の記録があることが判明し、その該当者の名簿を提供した、との報道があった。
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20091230
朝日・朝刊
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韓国では盧武鉉政権下の2004年、日本の統治時代の徴用・徴兵 などの実態を調べる「日帝強占下強制動員被害真相糾明委員会」が政府機関として設置された。08年からは、労働を強いられた本人に年80万ウォン〈約6万2千円)の医療支援金、遺族に2千万ウォン(約156万6千円)の慰労金を支給されている。
同委員会によると、16万人から「日本の工場や鉱山などに強制労働された」との申請があるが、約9割は裏づけの資料がないため、認定作業が滞っている。このため、10月下旬、ひとまず4万人分を日本側に照会した。
これを受け、社保庁は確認作業を開始。朝鮮名で246人、日本名で4642人の計4888人の加入履歴を確認した。重複分を除くと、実数は4727人という。
年金記録の確認により、4727人は韓国政府の支援制度を受給できる可能性が高くなった。ただし、社保庁は「各人の加入していた期間は調べていない」としており、日本政府に対して年金脱退手当金を申請できる資格があるか否かはわからない。
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