2009年5月24日日曜日

(入江) 私は、私が泳ぐ

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入江君!!《競泳の入江陵介(近大) 19歳》が、今月10日、日豪対抗で男子200メートル背泳ぎで1分52秒86の世界新記録で1位になった。従来の記録を1秒08も上回った。が、そのとき着用していた水着がデサント社製のもので、国際水泳連盟(FINA)が認可してないもので、この記録は公認されず、幻の世界記録になったと報道された。

高速水着の線引きをFINAは行っているようだが、水着の審査基準(材質、構造、機能、製品化した後の検品、検査方法)を早く設定しないと、現場の選手が一番の被害者になる。日本水連では今回の入江の記録を世界記録として公認されなくても、日本記録から取り消さないと明言したそうだ。おい、おい、どうなるんじゃ。日本における水泳の総本山の日本水連が、こんなことをコメントをしているようでは、不安だ。 世界記録より早い日本記録が存在することになるではないか。一刻も早く、この問題を解決して欲しい。

でも、入江君は頼もしい。新聞によると大阪での記者会見で、「もう一度、世界記録を狙うチャンスをもらったと思っている」、とか「水着ではなく、頑張って泳いでいる姿に注目して欲しい」と、どこまでも健気(けなげ)な青年の言葉だ。

姉と兄がやっていた水泳を自然に習い始めたが、早朝練習があって、嫌で嫌でしょうがなかったと言いながら、やり続けてきたのは生来の負けず嫌いの性格のせいだった。身長は177センチ、体重62キロの頼りなげな体つき。趣味はピアノ。大阪・近大付高では水泳だけと思われたくなくて勉強でもクラス1位を守り続けた。

入江陵介選手のことを、どうしても入江君!!!と言いたくなってしまう。入江のことを思うと何故か、私は彼のクラスメイトになってしまった錯覚に陥ってしまうのです。

入江君のことを「バランス王子」と言われているんですよ、と家人から教えられた。オットセイやアザラシが、水族館などのショーで鼻の辺りにボールをのせて歩き、ボールを落とさないようにして、そのまま水のなか入って泳ぐように、入江君も額にペットボトルを立てて、倒れないようにして背泳ぎをできるそうだ。その泳ぎは「世界一美しい」と言われ、日本代表の平井コーチも「こんな泳ぎは見たことがない。間違いなく世界の一級品だ」とコメントした。

先の北京五輪出場選手の選考会で、選手達は誰もが自分が着用する水着について悩んでいた。その中にいて北島康介選手は、選考会の観衆を前に、背中に???とか書いた姿で現れた。そこに書かれた英語の文章は、思い出せないが、確か、私が泳ぐのです。水着なんか関係ありません、という内容だった。

入江君は、19歳だ。記者会見に現れた彼には、水着に関してのモロモロなんて関係ない!!と言わんばかりなのが、ウレシイ。彼の表情は、もっと先の先の目標を狙っているようだ。

(090511の朝日新聞の記事を一部利用させてもらった

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