20090821の朝日・朝刊の1面に、「不動産競売 昨春の倍」の見出しの記事が出ていた。その記事を参考にさせていただいた。
競売にかけられる不動産の数がこの1年余りでほぼ倍増したことが、不動産競売流通協会の調べで分かった。住宅ローン返済に行き詰まる人が増えているのが原因とみられる。競売までの手続きには1年弱かかるため、この夏のボーナス大幅カットの影響がでるのは来春頃。さらに増える可能性がある。
協会によると、08年3月の競売物件は3773件だったが、今年3月には7千件を突破。7月は前年同月比70%増の7229件だった。
協会の吉村光司代表理事は「一定期間たつと金利が上がるローンを組んだものの、予想していた昇進・昇給が実現せず、返済に行き詰る世帯が増えている」と分析。不動産業界の資金繰りが悪化し、競売前の任意売却で買い手が見つかりにくくなっていることも、背景にあるという。
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今、衆院選の選挙活動で、各党それぞれになりふり構わずに、予算のバラマキを材料に熱戦中だ。なかでも民主党の勢いは、私が想像している程度ではなく圧倒的に勝利するのでしょう。そして、民主党が与党になって鳩山内閣が発足する。そこで、念入りに民主党のマニフェストを読んでみた。どこにも、頭書の朝日新聞の記事についての対策について記載がない。当然自民党のマニフェストにもない。どの党も、注目もしなかったし、検討もされたことはないのだろう。
この問題について、早急に愛の手を差し伸べる政党が出てきてもらいたいものだ。
私たちの会社の主要業務は、中古の戸建住宅をリノベーションして価値を高めて、もう一度現役の住宅として働いてもらうために市場に提供することなのです、だから購入していただくお客様の資金計画や、住宅の今後の維持については、購入者とともに日常的に腐心している。
そんな私たちにとって、頭書の新聞記事はショックだった。
かって住宅金融公庫や年金は、横浜では横浜市建築助成公社も、悪名高い「ゆとりローン」「ステップ返済」と言って、借り始めた時はぐうっと抑えた低い金額で始まって、5年後には初期の1.5倍ぐらい、11年後にはその1,5倍ぐらいに支払いが額を増える支払う方式で貸し出しを行っていたのです。このような公的機関がバンバンこの商品(この方式で)を売り(貸し)まくったのです。こんな方式ではなく、従来型の融資の方法もあったことはあったのですが、融資を紹介する側も、融資を受ける者も、この新しい方式に雪崩れうったのでした。バブル期、この方式には何の懸念もしないで「乗った」人たちが、今、所得が思うように上がらず、この方式に喘いでいるのが実態です。日本版サブプライム・ローンとも言われているのです。
支払いが行き詰った債務者たちのなかには、家庭不和から一家離散、職場を奪われ、夜逃げ同然に姿をくらました人、新たな資金は貸してもらえなく、将来を案じて自殺した人も増え続けている。自分の金融債務に対して、諦めたり、放棄したり、いい加減な処理さえしなければ、何とか、借り入れ期間を延ばすなど、ローン内容の設計変更を試みるように、もっと早い時期に黄色信号の出た借主にアドバイスなどの努力をすべきではなかったのか。公的機関である金融公庫の不良債権額がドンドン上積(うわず)みされていく。債務者は、意気消沈してプラスの経済活動などもってのほか、負へ負へのマイナス活動に陥っていく。結果的には、国の力が弱くなるための効果でしかない。
そこにきて、米国のサブプライム・ローンに端を発した世界同時不況による地価の暴落による、持ち家の評価減です。収入が減り、評価減による担保不足から、民間銀行でのローンの組み換えもままならず、苦境、困窮への一方通行だ。不動産業界への金融機関からの融資も少なくなり、競売前の任意売却も難しくなった。誰かに売ろうとしても、その売値では抵当権の抹消もできない。
「ゆとり~」を借りた人は、八方塞(ふさ)がり状態だ。
このことに関しての直接的な当事者で、一番影響力のある住宅金融公庫は、名前が気に食わないのですが、住宅金融支援機構と名を変えた。支援するのは誰を支援するのだろうか、と思いきや、「ゆとり~」で悲鳴を上げている人を支援するのではなく、金融機関を支援するというではないか。この「ゆとり~」の後始末を、安易な競売に任せ放しでは、イカンのではないか。
借主にも、自己(借主)責任があるのは、よくよく承知のうえだ。
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