2006年11月12日日曜日

天声人語なしでは、今の私はない

何もこんなところで、朝日新聞を褒めちぎっても、しょうがない、と言えばしょうがない話だ。けれども、私と天声人語との付き合いは、実に永く深い関係だ、としみじみ思う。



 

 

勉強嫌いだった中学生の私に、慕っていた国語の先生からの影響は大きかった。その先生は、天声人語のことを、何か大変なもののように話され、それを私は、何か大変重要なことのように理解してしまったようです。中学1年生のある時から、今に至るまで天声人語は空けることなく、毎日読み続けてきた。私は、中学生、高校生、浪人中、試験勉強として、国語の教科書・参考書を広げたことはない。ひねくれ者だった。お仕着せには、素直に従いたくなかった。国語ぐらいは、自分で勝手にやらあ、と息巻いていた。かわりに、中高、浪人時代には、「国語」として、天声人語を完全に理解できるように努めた。漢字の読み書きも完全にものにした。


内容が時事的(即時的)・社会性に溢れ、啓蒙的、道徳的、教訓的、規範的で、私の成長の過程において非常に刺激を与えた。私は刺激を受けた。山深い、谷間山間の寒村に育った少年には、世間を覗く窓口でもあったのです。



 

 

そんなことを、何故ここでこんな文章を綴っているのかというと、今日も又、天声人語に素晴らしい文章を読ませて頂いたものだから。



 

 

9・11同時多発テロ以来二つの戦争に踏み切り、イラクではいまだに出口が見えない。そんな状況下、ブッシュ大統領の不人気の影響で、中間選挙で,共和党が減り上・下院とも過半を割った。そのような内容が書いてあって、最後にワシントン初代大統領の演説内容にふれてある。その文章に魅入られたのです。その記事をここに転載させていただいた。



 

 

2006年11月9日の天声人語より


230年前に独立した時、アメリカは北米大陸の中の、新しい一つの国でしかなかった。初代大統領となったワシントンは、3期目には立候補しないことを表明した後、議会で決別の演説をした。「ある特定の国々に対して永続的で根深い反感をもったり、他の特定の国々に対して深い愛着をもったりせず、かわりに、すべての国に対して正当で友好的な感情を育むことが何よりも重要である」(井上一馬・編著『後世に伝える言葉』小学館) 生まれたての国の未来を案ずる切実な思いが伝わってくる。超大国としてではなく、世界の中の一つの国として、建国の父の精神を思い起こす好機だ。

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