天声人語を読んで、筆者はうまいこと書くなァ、と感心した。5千円札の絵模様になった樋口一葉さんの人となりを、5千円札と他の札との使われ方の違いをもって、表されている。
やっぱり、この記事も一つマイ・ポケットさせて頂こう。
以下 天声人語からの抜粋より
2006年11月23日は、二十と四年で世を去った作家・樋口一葉の命日だ。
短く、しかし強く生きた一葉の生涯をたどると、改めてその際立った心意気が思い出される。
「人情かみの如しうすく、~ 世はいかさまにならんとすらん~わがこころざしは国家の大本にあり」
「たけくらべ」では、吉原の遊郭という独特な場所の周辺に生きる人々の思いを見事に描き出した。森鴎外主宰の雑誌「めさまし草」の合評蘭に「たけくらべ」に関する一節がある。「この人の筆の下には、灰を撒きて花を開かす手段あるを知り得たり、~この人にまことの詩人といふ称をおくることを惜しまざるなり」
22歳の年の日記にこう記した。
他の札と違って、5千円は札束にはなじまないようだ。使われる時も1枚だけのことが多い。一葉は、札になっても一葉か。それが、やや切なくもあり、あの心意気の高さにはふさわしいようでもあった。
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